二郎系ラーメン体験記

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先日、人生で初めて二郎系ラーメンを食べた。

大学入学と共に上京した。東京に来たんだから学生のうちに1度は二郎系ラーメンを食べてみたかった。だが、それは叶わなかった。

ちなみに上京する前に食べたことがなかったのは地元に二郎系ラーメンの店が無かったから。

学生の頃に行けなかったのは二郎のイメージが悪かったから。というか怖かった。

豚の餌とかまずい、という評判は別にいい。味なんて食べる人によって変わるから。

1番気になっていたのは店内の雰囲気。
殺伐としている。
どこからか罵声が聞こえる。
話していると怒られる。
の様な評判がネットだったり実際に行った人が言っていたりと、普段食事をしている場所とは対称的な様子でめちゃくちゃ怖い。その話にビビってしまって結局学生の時には行けなかった。

社会人になっても行くことは無く、これから先も行くことはないんだろうなぁと思っていた。
しかし、ある日のこと、無性にニンニクが食べたくなった。どこか食べれるところはないかと探していたらどうやら近所に二郎系ラーメンの店があるらしい。

正直気乗りしなかったが、他の店を探してもニンニクを食べられそうな店は焼肉屋しか無く、安くニンニクを食べるならそのラーメン屋に行く他なかった。

Googleマップを見ながら向かってみると、カウンター席のみで10席ほど。入口の扉は開けっ放しの店に着いた。

ふへここが二郎系…。本物の二郎ではないが外からでも店内の空気だけが違うことが見て取れる。

食券を買って店に入る。「混んでる際は置くから詰めて座ってください」の張り紙。幸い他に客は1人しかいなかったのでどこでもいいらしい。

食券を2段あるテーブルの上の方に置き、ラーメンが出来上がるのを待つ。ここでふと気付いた。トッピングはいつ注文するんだと。

折角注文したけどニンニクが入ってなかったら来た意味がないじゃないかと思い、パッと見カタギじゃなさそうな店員に「トッピングっていつ言えばいいんですか」と聞いた。

トッピングって言った辺りで、怖いおじさんが「ラーメン出す直前ね」ってこっちを向いて教えてくれた。
めちゃくちゃ怖かった。思わず「すいません」と謝ってしまった。

ラーメンが出てくる間、しくじらないように店のルールが書いてある紙を読んだ。
・水はセルフサービス
・混んでる時はスマホ見ながら食うな、さっさと食え
・食った後はテーブル拭け
なんてことが書いてあった。
ルールに反したら熱々のスープをかけられるんだろうなぁって考えたら緊張してきた。

読み終わって店内を見回していたら太い声で
「トッピングは?」
と聞かれた。このタイミングなんだなと思いつつもニンニクとアブラを頼んだ。
頼むとすぐにラーメンが目の前に置かれた。
ラーメン並を頼んだはずなのにかなり量が多い。二郎で検索をすると出てくるような盛り方。

並盛で良かったと思ったのもつかの間。ここは二郎もとい二郎系ラーメン。写真を撮ってTwitter映えを狙ってる暇なんてない。早く食べないと店員からラーメンをも冷ますような冷たい目線を浴びさせられるに違いないと思い直し即座にもやしと麺を口に運ぶ。

……なるほど。

という月並みな感想しか出てこなかった。
失礼だが特別美味しい訳では無い。かといってまずい訳でもない。ただただなるほど。という何かよく分からないけど納得してしまった自分がいた。

半分食べ進めた辺りであらためて並盛で良かったと思う以外はひたすら食べ進めた。

そのまま何も思うことなく食べ終え、店のルールに従ってテーブルを拭いて店から出た。
家路に着いている時ふと「また食べよう」と呟いていた。何かしらの魅力はあるのかもしれない。

店員はちょっと怖くてラーメンは普通だけどニンニクはおいしい。

意外とありかも二郎系

本物の二郎は怖いくていけなさそう。

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